窯変米色瓷砧 昭和46年
1971年

飴釉印花瓶子 昭和36年
1961年
 
「片身変わり」の魅力
 嶺男青瓷には、ピンクの粉紅瓷、ブルーの粉青瓷、ややグリーンがかった翠青瓷、そして、黄色がかった窯変米色瓷があります。
 ところで、嶺男青瓷の中に、ブルーの部分と米色の部分がある「片身変わり」の作品があるのをご存知でしょうか。青瓷の作品では、異なる土の練りこみという手法も、釉薬のかけわけという手法も使っていません。つまり、同じ土と釉薬のひとつの作品でも、焼き方で色が異なる部分ができるということなのです。
 もともと、「嶺男米色青瓷」は、灰釉の発展としてのブルーの青瓷が、窯の中の変化で米色になります。父はそういう意味で、窯変という文言を使っているのです。片身変わりの青瓷作品が、現在開催中の東京国立近代美術館の嶺男展で見られます。図録では、134ページ、作品番号111番です。ほかにも青瓷の片身変わりの作品があるでしょうか。どうぞ開催中の展覧会をご覧になって、探してみて下さい。
瓶子
 名古屋の中学・高校で同級生だった女優の竹下景子さんを含む数人の同窓生と一緒に父の展覧会を観に行きました。懐かしい顔を見ると、ついつい、複雑な思いが溢れてきて、私が小さい頃から抱えてきた「父の無念を晴らしたい」という思いを切々と語ってしまいました。

 展覧会では、特に瓶子と年賦をよくご覧になって下さい。
 永仁の壷の事件での発言の責任を取って重病を圧して制作した瓶子です。父が命を削って制作した瓶子です。
 会場の広さなどの制約もあって陳列することのできなかった瓶子がほかにもあります。それらの瓶子は、今月中に発売される小学館発行、岡部嶺男作品集「陶愁」に掲載されます。
 「陶愁」はいよいよ印刷に入ります。

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